仕事でストレスを感じる方は年々増加しており、29年の厚生労働省が行った調査によると約58.3%の労働者が「強いストレスを感じる」と回答をしています。
強いストレスを感じている人の中には、体調の変化などの違和感を感じる人もいます。
本記事ではストレスを溜め込みながら働くことの危険性と、解消するための方法を紹介しています。放っておくと大変な事になってしまう可能性もあるので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
もう無理!ストレスが原因で辞めることは「逃げ」ではない
以下のタイプの人は、ストレスを抱え込みやすい傾向があります。
- 真面目な人
- 責任感が強い人
- 義務感で仕事をしている人
- 短気ですぐにイライラしてしまう人
- 神経質で細かいことが気になる人
- 積極的に人を頼ることができない人
- 悲観的に物事を考えてしまう人
- 短期的な視線で物事を考える人
とくに真面目な人ほどストレスに対する耐性がなく、負担を感じやすいでしょう。
また、仕事に対する責任感・義務感が強く「ちょっとやそっとのことで会社を辞めるなんて甘えだ」と考えてしまうため、限界ギリギリまで無理をしてしまうケースが多いです。
後述で詳しくお伝えしますが、ストレスを無視し続けると健康に悪影響が出てしまいます。
精神的な理由で辞めることは、自分を守るための手段であり甘えではないことを理解し、自分の体をいたわることを念頭においてください。
仕事でストレスが溜まる原因を一挙紹介
仕事でストレスが溜まってしまう原因は、あげようと思うと数え切れません!それは人によって感じ方が全く違うからです。
代表的なケースは以下の通りです。
- 思うような結果残せていない
- 職場の風通しが悪く、意見が通らない
- ハラスメント被害を受けている
- 給料が著しく少ない
- 長時間労働や、休日出勤
- 評価制度への不満
- 業務内容、進め方の不満
パワハラやセクハラのように、誰だってストレスを感じるでしょう。ただしストレスの要因はハラスメントのように誰が聞いても納得のケースだけではありません。
「朝の通勤」、「上司からの期待」と言ったように他人にとってはどうってことないこと(嬉しいこと)でも本人にとっては、大きなストレスとなることがあります。
受け取り方はあなた次第ですので、他の人が何を言おうと自分が限界を感じているのであれば、適切な対応をすべきでしょう。
ストレスの限界を迎えたときの症状、サイン
強いストレスを感じながらも、使命感や責任感が強い人は体力を振り絞って働いてしまうことがあります。
本人はなんとかいつもどおり働いているつもりでも、心は限界を迎えているかもしれません。そうなると、いつ倒れてしまうかわからないです。
この章ではストレスの限界を迎えたときに、体が出すサインを紹介します。「まだ大丈夫」と考えている人も、心の声に耳を傾けてあげてください。
1.眠れなくなる、睡眠の質が低下する
いつも通りの睡眠ができなくなっている状態は、ストレスの限界が近づいてきている初期症状です。
人には活動をしている時に働く「交感神経」とリラックスしている時に働く「副交感神経」があります。強いストレスを感じた人はこの交感神経と副交感神経の制御ができなくなってしまいます。
寝ようと思っているのに交感神経が、優位になっていると中々寝付く事ができません。
また、寝付けたとしても睡眠の質が悪く、短いスパンで目を覚ましてしまったり、予定よりも早い時間に目が覚めてしまうことが増えます。
2.感情の起伏が激しくなる
強いストレスを感じる環境に置かれている人は、イライラ、不安、落ち込みなどの情緒不安定な状態になることがあります。
浮き沈みが激しく自分でも、なぜ怒っているのか、こんなに不安な気持ちになるのかわからない状態が続く場合は、精神疾患の可能性が高くなります。
3.休んでも疲れが取れない
ストレスを感じている人は、休んでも休んでも疲れが取れない現象に悩まされます。
原理は睡眠障害と同じで交感神経が常に優位になっているためです。
交感神経が活発な状態のときは脳や筋肉がたくさんエネルギーを消費します。反対に副交感神経が活発が優位にあるときは体がエネルギーを蓄えようとします。
横になって目をつむっているものの、内部的に活動状態にあると休んでいるつもりでも体力は消耗していることになります。疲れは取れるどころか、溜まってしまうでしょう。
4.体重が急激に増える(減る)
人によって、反応は様々ですがストレスが溜まることで、体重に変化が見られることがあります。
ストレスの反動で間食が増えたり、食べる量が増えてしまう人がいます。さらにストレスを感じているとき「コルチゾール」というホルモンが分泌されていることで、太りやすい体質になっていることも相まって体重が激増してしまいます。
反対に、ストレスにより唾液や消化液が少なくなり消化器官の運動が抑制されてしまう人もいます。この場合、食欲はなくなり体重は激減してしまうでしょう。
5.体調不良が続く
精神的なストレスでも体調を崩すことがあります。
理由は、ストレスによって乱れてしまう自律神経が全身の器官をコントロールする役割を持つからです。
例えば、消化器官の機能が抑えられているときに食事を取ると、胃がムカムカしたり吐き気を感じることになります。
- 頭痛、めまい
- 吐き気
- 腹痛、便秘、下痢
- かゆみ
- 肩こり
- 耳鳴り
- 手足のしびれ
- 頻尿、残尿感
体調不良の場合、風邪と勘違いしやすいため、ストレスによるものだと気づきにくい点が厄介です。
特に原因が思い当たらないのに1週間2週間と体調不良が続くようであれば、自分の体が悲鳴を上げているのだと自覚しましょう。
6.やる気が全くなくなる
様々な体調不良や、日常生活での違和感、感情コントロールの違和感を感じつつも、さらに無理をしてしまうと最終的に「無気力状態」に陥ることがあります。
行動の全てが面倒くさくなり、焦りを感じつつもなぜか動けないという状態になります。
実際に全てのやる気を失っている人の意見には「食事を作るのも面倒だから出前が中心になった」、「休日は部屋から出ない日々が続いた」、「部屋にいても得意何かするわけでもなく、ぼーっとしてしまう」といったような声ががあります。
この状態は、ストレスの限界を迎えた人の末期症状なので、すぐにでも休息を取るべきです。
7.死にたいという考えが芽生える
無気力状態になってからも適切な治療をせずに放置した場合、だんだんと「楽になりたい」「死んでしまいたい」と考えるようになります。
経験者の話では、「今目の前の電車に当たりいけば楽になれるのかな」といったような、自虐的な思考から抜け出せなくなるようです。
今そのような考えに陥っている人は、まず先に身近な人に相談をするようにして下さい。
相談することがめんどくさい、まだ大丈夫とは絶対に考えないでください。
もう無理…限界と感じた時の9つの対処方法
まだ、症状が軽い場合は自らの行動でストレスを解消することもできます。
この章ではストレスの原因をなくし、気持ちを楽にするための方法を紹介しています。
1.ストレスの原因を明らかにする
まずは、自分がストレスを感じている原因を明確にしましょう。
ストレスを溜め込みやすいタイプの人は、すぐに「自分が悪いのだから」と考えてしまいますが、それは違います。
ミスをすることで罵声を浴びせられるケースや、暴力を振るわれるケースでの原因はあなたではなく、実際に行動を起こしている上司や同僚です。
原因はすぐに自分と決めつけネガティブになってしまうのではなく、客観的な立場で分析をしてみてください。
2.我慢の限界を知る
次に自分の限界を知ることが大切です。
- 上下関係が厳しい:我慢できる
- 正しい意見が通らない:我慢できない
ここまでは我慢ができる、これは我慢ができないと自分のルールを決め、従って動くことでストレスを溜め込むことを避けられるでしょう。
我慢できないと思ったことは毅然とした態度でNOと言えるようにしましょう。
完璧にこなすことを意識しすぎては体に毒となってしまいます。
3.会社でやりたいことを見つめ直す
会社をやめてしまう前に、今の会社に入った理由を見つめ直すべきでしょう。
多少辛い環境でも本当にやりたいと感じていることができる人や、将来なりたいと思ったことに着実に近づいている人は、ストレスに打ち勝っているケースがよくあります。
あまりに理想とかけ離れた仕事をしており、未練がまったくない場合は思い切って辞めてしまうことも1つの手でしょう。
4.オンとオフでスキッチを切り替える
「休日も24時間仕事のことを考えろ」こういった社風の会社はいくつも存在します。
根っからの仕事人間であれば、四六時中仕事のことを考えていても辛くはないでしょうが、一般人にとってはストレスでしかありません。
会社がどんな方針であろうと自分の中で、オンオフを明確にして、オフと決めた時間には仕事を忘れてリフレッシュすることが大切です。
5.相手に歩み寄ってみる
苦手な人のいいところを探してみたり、相手の立場になって見ることで少し気持ちが楽になることがあります。
上司や先輩も人なのですから、欠点はあって当然です。
「今自分はこの人の悪い部分を見てしまっているんだ」とこっそり思っておくと、ストレスを感じにくくなります。
また、「この人も後輩時代はさんざん上司から詰められていたのだろう」、「もしかしたら家庭で嫌なことがあったのかもしれない」と相手の事情を理解することで気持ちが楽になることがあります。
6.信頼できる人に相談して、環境を改善してもらう
自分の考え方や意識改善では解決できない問題も他の人に相談をすれば、解決に向けて動いてくれることがあります。
例えば、部署を変えてもらうことで会社に溶け込むことができたという人もいます。
同僚との問題は上司、上司との問題は社内の相談窓口、会社との問題は外部機関(労基)といったように、常にストレスを感じる対象の上の役に人に相談をするようにしましょう。
7.有給休暇・体調不良による休みを取り、体を休める
上司や社内窓口に相談することすらままならない人は、ひとまず休息を取ることを意識しましょう。
症状が軽ければ体調不良でその日だけ休む事もできますし、1日では回復しないと感じた場合は有給消化を使って長期休暇を取ることもできます。
お休みをする場合は、1日部屋にこもるのではなく思い切ってどこかに出かけてリフレッシュすることが効果的です。
8.医師から診断書をもらい休職する
会社を休むことに申し訳なさを感じてしまう人や、上司から有給や休み取ることが許可されなかった人は、その日1日だけでもなんとか休みを取って、医療機関を利用してください。
医師から診断書を発行してもらえば正式に休職することができます。会社は原則診断書の記載ないように従わなくてはいけないだめ、ブラック企業であろうと関係はありません。
9.会社を辞める、転職する
会社に残る理由がある方は休職をすることをおすすめしますが、全く未練のない場合は転職をすることをおすすめします。
精神的な病気は再発しやすく、せっかく休職をして一度治ったとしても根本的な原因が解決していない場合は、何度でも元に戻ってしまいます。
休むだけでは、何度も繰り返しになると感じた方は、自分の心に正直に辞めるかどうかの判断をしてください。
ストレスの限界を感じ、会社を辞めるときの準備
ここまで、記事を読み進めて会社を辞めることを決意した人に、辞めるときの注意点や準備すべきことを紹介しています。
余裕があるなら転職と退職の準備を進めること
とにかく今すぐに辞めようとすることはおすすめできません。
全く余裕がない場合は、健康のことを考え即座に退職すべきですが、多少余裕があれば転職や退職の準備を進めるべきです。
- 転職の準備:転職サイトや転職エージェントに登録し、活動開始!
- 退職の準備:引き継ぎやあいさつ回り
転職の準備とは、「転職サイト」や「転職エージェント」、「ハローワーク」に登録して、内定を取るために転職活動を開始することです。
ストレスの限界を感じている人には、様々な面で手厚くフォローをしてくれる「転職エージェント」がおすすめです。自力で探してしまうと。またブラック企業に入社してしまうかもしれないので、専門家を頼った方が確実です。
退職の準備は、「引継ぎ」や「育成」が挙げられます。できる範囲で構いませんので、最低限のマナーを守るように心がけてください。会社が無理な要求をしてくる場合は、無視してしまって構いません。
「引き止め」の対策をしておくこと
人、1人にストレスを与え続け限界まで追いやる会社(上司)が、すんなりと退職を認めてくれるとは限りません。
嫌がらせで退職を拒否してくる可能性や、会社の利益のことだけを考え引き止めをしてくる可能性があります。なにかに付けて退職の申し出を断られないように、しっかりと準備をしておきましょう!
- 退職は申出ることで有効となるため、会社に引き止める力はない
- 退職日は2週間以上先であれば、いつに設定してもいい
- 就業規則や上司が決めたことよりも、当然「民法」が優先される
- 有給申請は一方の申出で使用できる、会社の承認は必要ない
「上記のように認識しています」と言うことができれば、上司としても引き止めはできないでしょう。
ただし、感情的になっている上司は「そんなもん知るか、ダメなものはダメだ」と言い張ってくることもあります。
どうしても自力で辞められない場合は、あなたの代わりに退職の連絡をしてくれる「退職代行サービス」を使ってみてください。
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