夜勤の仕事は給料が高い魅力がある一方、「体調を崩しそう」という意見を良く聞きます。
実際、夜勤は様々な体調不良を引き起こします。
本記事では、夜勤によって引き起こる体調不良の数々をまとめて紹介しています。また、実際に体調不良に陥り悩んでいる夜勤労働者のために、夜勤明けの体のケア方法について解説しています。
目次
夜勤(交替勤務)とは
これから夜勤のお仕事をしたいと考えの方に簡単に、夜勤のシステムについて解説します。
夜勤とは名前の通り夜の時間帯に労働をすることで、16時から0時まで働く「準夜勤」と呼ばれるものと、0時から8時まで働く深夜勤と呼ばれる2種類があります。
画像参照:看護部の概要 | 慶應義塾大学看護部
夜勤のある代表的な職業は「看護師」や「工場勤務者」です。
看護師の場合は月に数回程度、自分の都合に合わせてシフトに入れるものとなっています。
一方、工場の場合は4日間日勤で働き、2日休み、4日間夜勤で働くといったようなシフトが組まれることが多いです。
月に数回夜勤があるお仕事よりも、工場勤務のように連続して夜勤がある仕事の方が、体への負担が非常に重たくなります。
高収入を得られる働き方ではありますが、体にどのような変化を起きるのかをしっかり理解し、対策を取らなければ健康に大きな悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
労働人口の3人に1人が夜勤労働者
夜勤労働者は年々増えており、現在では労働者の約1/3が夜勤のある仕事をしていると言われています。
夜勤労働はかなり身近なものとなっており、どのような職種でも夜勤でのシフトをお願いされる可能性はあります。
今の時代、夜勤は珍しい働き方ではないので、夜勤によって引き起こる体調不良はしっかりと理解しておく必要があります。
夜勤を続けることで起きる体調不調
多くの夜勤労働者を悩ませている体調不良について詳しく種類を分けをして紹介しています。
昼夜逆転生活をすることで、体に起きる変化は以下の3点です。
- 自律神経が乱れる
- ホルモンバランスが乱れる
- 特定の栄養素が作られない
1.自律神経の乱れによる体調不良【10種】
夜勤によって、昼夜逆転の生活が続くと自律神経が正常に働かなくなってしまいます。
自律神経とは身体機能の調節や制御をしている神経で、この神経の働きが乱れると体のオン・オフを切り替えられなくなってしまいます。
ほんの一例ですが、夜勤を行うことで以下の体調不良が引き起こる可能性があります。
- 疲れやすくなる、疲れが取れなくなる
- 頭痛
- 微熱、低体温
- 眠れない、日中の眠気
- 耳鳴り、喉や口の乾き
- 動悸、息切れ、胸やけ
- 吐き気、ガス詰まり、便秘、下痢
- 食欲不振、暴食
- 手足のしびれ、冷え、ほてり
- 関節痛、肩こり
寝ている間も「オンのスイッチ」が入っていると眠りに付く事ができませんし、昼間に「オフのスイッチ」が入ってしまうと急激な眠気に襲われることになります。
スイッチのオンオフは、眠りだけでなく消化器官や呼吸器官など様々な器官に影響を与えます。
胸焼けや息苦しさを感じたり、食べ物を受け付けなくなったりと、上記に挙げた様々な体調不良が現れるでしょう。
2.ホルモンバランスの乱れによる体調不良【5種】
本体、体内時計が正常に働くことで、ホルモン正しく分泌されています。
もし、夜勤生活が続き体内時計が大きく乱れてしまった場合、ホルモン分泌量は低下してしまいます。その結果以下のような体調変化があるでしょう。
- 感情の起伏が激しくなる
- 生理不順、生理痛
- 体重の増加、減少
- 肌荒れ
- 髪質の変化
ホルモンバランスが乱れてしまうと、体調不良だけではなくがんや心臓病といった大きな病気になってしまうリスクも高まります。
3.栄養素・脳内物質が作られない事による体調不良【2種】
夜勤労働によって、日光を浴びない生活が続くと体の中で特定の栄養素や脳内物質が作られなくなってしまいます。
日光を必要とする栄養素・脳内物質は「ビタミンD」と「セロトニン」の2つです。これらが不足することで以下の体調不良を引き起こしてしまいます。
- 免疫力の低下(肌荒れ、口内炎、風邪)
- 精神が安定しなくなる(イライラ、やる気の低下)
ビタミンDが不足することで免疫力が低下し、風邪を引きやすい状態になってしまったり、口内炎や肌荒れを引き起こしてしまいます。
また、セロトニンが分泌されないことによって精神状態が安定しなくなってしまいます。イライラや不安な気持ちが続くことで「うつ」を引き起こしてしまうこともあります。
夜勤明けの体調管理のポイント、ケア方法
上記で紹介した、体調不良にならないためには夜勤明けに正しい生活をすることが大切です。
過ごし方や食事、運動など4つの観点で解説をしています。
- 過ごし方
- 食事の取り方
- 適度な運動
- 外出時の体への気遣い
夜勤明け過ごし方
適切な夜勤明けの過ごし方は、どれだけ夜勤が続くのかによって変わります。
夜勤後、休日を経て日勤に戻る人は日勤の生活リズムを壊さないことを意識してください。
- 3時間程度の仮眠で済ませる
- お昼からは普通に生活をする
- その日の夜にしっかりと寝れるようにする。
連続して夜勤が続く人は「光」を調節することで、体に「自分にとっての朝と夜」を覚えさせることを意識してください。
夜間を明るい環境で過ごし、昼間を夜と考えて暗い環境で寝起きすることが大切です。
- 帰宅時はサングラスをかけ、日光を避ける
- カフェインやアルコールを避ける
- アイマスク、遮光カーテンを使い部屋を暗くする
- 耳栓を使い騒音をシャットダウンする
食事の改善方法
快適な夜勤生活をおくるためには、「食事のリズム」と「食事の内容」、「食事の量」の3つが重要となります。
1つ目は、食事の時間です。
自分なりに三食のリズムを作り体内時計の乱れを防ぐことが大切です。起床後は部屋を明るくし、軽めの朝食を取ることで体に朝を教えましょう。
2つ目は食事の内容です。
カフェインやアルコールなど、睡眠の妨げとなり自分の体内時計を崩すような飲み物は控えましょう。
3つ目は食事の量です。
夜型の生活をおくる人は消化器官の働きが低下していることが多いです。夜勤明けにお腹いっぱいに食べてしまうと、胃に血液が集中してしまい睡眠の質が低下してしまう可能性があります。腹八分目までに抑える食べ方を意識してみてください。
運動することで快適な眠りを作る
運動による適度な疲労は快適な睡眠をもたらしてくれます。
光や食事の調整で昼を夜と認識させようとしても、日中寝ることに慣れていない人は中々寝付く事ができません。自分の体力に合った軽めの運動をしてみることをおすすめします。
運動をする際はハードな筋力トレーニングやランニングは避け、ウォーキングやジョギングを行うと良いでしょう。あくまで疲労感を感じ、快適な睡眠を取ることが目的であることを忘れないようにしてください。
外出時の注意ポイント
夜勤労働者にとって大切なことは自分のリズムを崩さないことです。
休日は日中に動きたいと考える人も多いですがなるべく、体内時間は崩さない方が良いでしょう。
もし日中に外出する際もサングラスをかけるなど対策をして、自分の体に叩き込んでいる「朝」のリズムを乱さないようにしましょう。
日中に我慢できないほどの眠気に襲われた場合、仮眠を取ることをおすすめしますが、本来寝る時間に影響を出さないためにも寝すぎには注意しておきましょう。
健康診断の回数が多い!健康への配慮はある
ここまで解説をした通り、夜勤動労は健康へのリスクが非常に大きい仕事です。
そのため、夜勤動労者は日勤労働者よりも多く健康診断を受けることが義務付けられています。
具体的には一般企業の健康診断が1年に1回なのに対し、夜勤動労者の健康診断は半年に1回で、その数はなんと2倍です。検査内容は以下の通りで、年に2回どちらも省略されることなく全てを受けることになります。
健康リスクをが大きい仕事ではありますが、何かあった時に病気に気づける体制は整っています。
- 既往歴・喫煙歴・服薬歴・業務歴の調査
- 自覚症状および他覚症状の有無の検査
- 身長・体重・腹囲・視力・および聴力の検査
- 胸部X線検査
- 血圧の測定
- 尿検査
- 貧血検査
- 肝機能検査
- 血中脂質検査
- 血糖検査
- 心電図検査
夜勤の辛いポイントは体調不良だけではない
夜勤労働者が「仕事が辛い」と感じるポイントは業務時間や体調不良だけではありません。
- 労働者が最小限に抑えられているため、業務量が多い
- トラブル発生時によって業務時間がかなり伸びる
まず、雇用者は賃金のかかる夜勤労働者を多数使いたくないと考えています。夜勤に割り当てられる人数は最小限であり、日勤に比べると1人当たりの業務量が多い傾向にあります。
また、トラブルなどが発生してしまうと少ない人数で対応をしなくてはいけないことから、残業時間が大きく伸びてしまうことがあります。
これから夜勤のある仕事に就職することを考えている人は「体調不良」にだけ目を向けるのではなく、夜勤のデメリット全体を見直して見るべきでしょう。
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