司法書士、行政書士、社労士、弁護士など誰が提供する退職代行サービスが1番自分にあっているのでしょうか?
本記事では、各法律家の業務範囲をそれぞれ徹底的に解説していきます。
目次
司法書士や社労士|退職代行を提供する4種類の法律事務所
弁護士や司法書士など、法律事務所が提供している退職代行サービスは、一般業者が提供する退職代行に比べて安心感があります。
しかし資格によってできることはバラバラで、一般業者とさほど変わらない範囲の業務しか対応できない資格もあるのです。
まずは、退職代行サービスを提供している「弁護士・司法書士・社労士・行政書士」の4種類の法律専門家がどのような業務を得意としているのか見てみましょう。
資格名 | 専門分野 |
---|---|
弁護士 | 法律業務に制限がない |
司法書士 | 登記・供託 |
社労士 | 保証・保険制度 |
行政書士 | 文章作成 |
1種類目が弁護士です。
弁護士は、法務において一切制限がありません。つまり、法律に関することならなんでもできるということです。一方、司法書士、行政書士、社労士は業務に制限があり、それぞれ専門的な分野のみ取り扱うことができます。
2種類目が司法書士です。
司法書士は不動産や会社などの登記を行うことが本来の専門業務です。「認定司法書士」という特別な資格を持っていれば、140万円以下の法律相談や交渉、訴訟をすることが許されています。
3種類目が社労士です。
社労士は、労働者に関する保証や保険制度について熟知し、専門家としてアドバイスを行うことが業務となります。「特定社労士」であれば、職場のトラブルに対して、会社と社員の言い分を聞き話し合いによる和解交渉をすることが許されています。
4種類目が行政書士です。
行政書士は、行政の手続きに必要な書類作成や内容証明を作成する業務を取り扱っています。
法律家が監修をしている退職代行サービス
退職代行専門業者の中には、「ニコイチ」や「イグジット(EXIT)」など法律家が監修をしているサービスがあります。
これらの業者はあくまで、民間企業として最適な範囲で運営するアドバイスを法律家にもらっているだけであり、法律家が利用者1人1人の対応をしているわけではありません。
監修を受けているからといって、交渉行為や請求行為を依頼できるわけではありませんのでご注意ください。
fa-link関連リンク退職代行サービスは違法?非弁行為(弁護士法違反)や必要な資格について徹底解説!
司法書士や社労士も交渉・請求ができるのか?
一般業者による退職代行サービスでも円満退職することはできます。また、有給休暇や退職金も確認をしてもらうだけで問題なく支給されます。
その上で、法律専門家によるサービスを使うメリットは「会社側が支払いを拒んだ際に交渉をしてもらうこと」と「会社側が訴訟を起こした際に裁判の代理をしてもらうこと」にあります。
では、どの法律家が交渉や裁判の代理をしてくれるのでしょうか?以下にまとめてみました。
資格 | 交渉 | 裁判の代理 |
---|---|---|
弁護士 | 可能 | 可能 |
特定司法書士 | 可能(140万円以下) | 可能(140万円以下) |
司法書士 | 不可 | 不可 |
特定社労士 | 可能(相手が話し合いに合意した場合) | 不可 |
社労士 | 不可 | 不可 |
司法書士 | 不可 | 不可 |
賃金支払いに関するの請求交渉・裁判ができるのは「弁護士」と「特定司法書士」、「特定社労士」の3種類のみです。
法律家は一般業者に比べて会社に対して心理的なプレッシャーを与えることができますが、弁護士以外が提供する退職代行は一般業者とさほど変わりありません。
司法書士や社労士、行政書士の退職代行の特徴
行政書士であれば文章作成など、各法律専門家によって専門業務が異なる事がわかりました。
この章では退職代行に当てはめた場合に、それぞれ何ができて何ができないのかをわかりやすく解説しています。
退職届の作成 | 退職日に関する交渉 | 労災申請の手続きの代行 | 離職票の発行手続きの代行 | 未払金の交渉/請求 | 退職金の交渉/請求 | 有給休暇の交渉/請求 | |
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弁護士 | |||||||
司法書士 | |||||||
社労士 | |||||||
行政書士 |
弁護士の退職代行の特徴
弁護士の特徴
- 請求・交渉に制限なく対応できる
- 万が一の場合は裁判にも対応可能
弁護士は法務に一切の制限がなく、1番オールマイティーに対応できます。
退職の代行だけでなく、慰謝料の請求、未払金・残業代の請求、有給休暇の交渉、退職日の交渉を行うこともできるので、あれもこれも頼みたいとお考えの方は弁護士に依頼するようにしましょう。
また、万が一損害賠償の請求や懲戒解雇の処分を受けてしまった場合に、裁判にも対応してもらえるので、何が起きるかわからないから心配という方にもおすすめです。
事務所名/サービス名 | 料金 |
---|---|
弁護士法人みやび(汐留パートナーズ) | 54,000円 |
ウラノス弁護士事務所 | 54,000円 |
弁護士法人川越みずほ法律会計 | 54,000円 |
中野駅前総合法律事務所 | 54,000円 |
スピード退職.com | 64,800円 |
弁護士法人ITJ法律事務所 | 19,800円 |
フォーゲル弁護士事務所 | 30,000円 |
fa-link関連リンク弁護士による退職代行サービス9選!労働問題のプロがあなたの悩みを解決!
司法書士の退職代行の特徴
司法書士の特徴
- 140万円以下の交渉に対応できる(認定司法書士)
- 140万円以下の裁判に対応可能(認定司法書士)
一般的な司法書士の場合、業務の中心は登記ですので、「退職代行」を依頼したとしても業務範囲は一般業者とさほど変わりありません。
認定司法書士であれば、金額が140万円以下のケースに限りますが、弁護士と同様未払金や慰謝料の請求ができます。
訴訟を代理することもできますが、対応できる金額は請求と同じく140万円以下に限ります。
事務所名/サービス名 | 料金 |
---|---|
退職代行センター | 30,000円 |
ゆき松司法書士事務所 | 58,000円 |
ルミエール司法書士事務所 | 30,000円 |
若井綜合法律事務所 | 54,000円 |
社労士の退職代行の特徴
社労士の特徴
- 和解や示談交渉に対応できる
- 労災申請の手続き、離職票の発行手続きの代行ができる
社労士は依頼者の代理人として、会社に退職の交渉をすることはできません。
「特定社労士」であれば会社との話し合いの場を設けたうえで、交渉することが許されています。
使えきれない有給休暇を買い取ってもらえるように要求をしたり、離職理由を「会社都合」にするように意義を申し立てるなどのサポートをしてもらえます。
一点注意すべきことは特定社労士であったとしても、具体的な請求はできない点です。特定社労士ができることは、双方の主張を確かめて調整を行い、話し合うことのみとなります。
事務所名/サービス名 | 料金 |
---|---|
社会保険労務士法人岡佳伸事務所 | 要相談 |
リスタ | 58,000円 |
行政書士の退職代行の特徴
行政書士の特徴
- 退職届・内容証明文章の作成を代行できる
行政書士も社労士と同じく、依頼者の代理人として、会社に退職の交渉をすることはできません。
もし、対応してしまうといくら行政書士であってみも非弁行為とみなされてしまいます。退職代行専門業者と同じく、伝言をすることとなります。
唯一、行政書士にだけできることは「退職届・内容証明郵便を作成代行すること」です。
事務所名/サービス名 | 料金 |
---|---|
アンジュ行政書士法律事務所 | 要相談 |
行政書士篠原司樹法務事務所 | 18,900円 |
行政書士暁事務所 | 30,000円 |
行政書士やまもと法務事務所 | 29,800円 |
司法書士や社労士、行政書士の退職代行料金比較
各、法律家ごとに提供している退職代行サービスの料金をまとめています。
行政書士の退職代行サービスはやや低めですが、弁護士、司法書士、社労士の価格帯はどこも5万円前後とさほど違いはありませんでした。
種類 | 相場価格 |
---|---|
弁護士 | 約50000円 |
司法書士 | 約50000円 |
社労士 | 約50000円 |
行政書士 | 約30,000円 |
低価格でサービスを提供している行政書士が魅力的ですが、上述の通り交渉や請求ができないため、法律家による退職代行を利用するのであれば、「弁護士」を利用することが1番でしょう。
法律事務所と退職代行業者|結局どっちがいいの?
本記事では、法律事務所による退職代行サービスについて詳しく説明し、司法書士、社労士、行政書士、弁護士事務所の違いについて解説をしました。
退職代行サービスを提供している事業は、法律事務所だけでなく民間の「退職代行専門業者」もあります。
法律事務所と退職代行専門業者の大きな違いは交渉行為や請求行為ができるかできないかにあります。
法律事務所は何かトラブルが起きた際に、間に入って交渉を進めてくれますが、トラブルが起きる可能性は限りなく低いということも覚えておいてください。
会社に問題があり、自ら請求を行う場合は法律事務所を利用するしかありませんが、退職をしたいだけであれば退職代行専門業者のほうが圧倒的にお得です。
どちらを利用するかは良く吟味するべきでしょう。
退職代行専門業者について詳しく知りたい方は、国内の全業者を比較したランキング記事を参考にしてください。
fa-link関連リンク退職代行サービスおすすめランキング!人気業者36社を徹底比較【いますぐ辞めたい方必見!】
退職代行でよくある質問をQ&A形式でまとめています。疑問をお持ちの方はぜひ参考にして下さい。
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