離職率が非常に高いことで知られる保険の女性営業担当、通称「生保レディ」。
本記事では、そんな生保レディたちが仕事を辞めたいと感じる理由を10こ紹介しています。辞めるべきかの判断ポイントから、退職の進め方まで全て記載しているのでぜひ最後までご覧ください。
離職率80%!生保レディを辞めたいと感じる10の理由
保険営業の入社から3年以内の離職率は約8割といわれています。
生保レディはそれだけ過酷な職種であり、適正が大きく分かれる仕事なのです。
具体的な退職理由は以下の通りです。
1.年収が低い、成績が悪いと最低賃金となることもある
生保レディの給与は「基本給(最低賃金)」+「成績給」で構成されており、成績給の割合が非常に高く設定されています。つまり成績が良くないスタッフはめちゃくちゃ給料が低くなるということです。
新人に対してはじめから厳しいノルマが課せられることはありません。どの企業も平均2年は「成績給」に一定の保証をつけてくれる会社が多いです。
この2年間の保証があるうちに、自分の営業スタイルを確立して、成績を伸ばすことができれば相当給料は高くなります。しかし、保険のような大きな契約を取ることも容易ではなく、できる人とできない人がバッサリ分かれることになります。
成績を伸ばすことができない人の方が圧倒的に多く、保証が切れた3年目以降は最低賃金しかもらう事ができなくなってしまいます。
結果、営業成績が悪い生保レディたちは、最低水準の給料で生活することに対し不満を感じ、退職を考えるようになります。
2.個人事業主なので経費は全て自腹
生保レディは、正社員ではなく個人事業主として会社と契約をしているケースが多いです。
稼働日は毎日出社しますし、社内のチームに配属されるのでやっていることは正社員と変わらないのですが、実際の扱いは個人事業主となります。
個人事業主として働くことのデメリットは会社の保険に入れないこと、営業に必要な経費もすべて自己負担となることの2つでしょう。
ただでさえ、給料が低いという問題があるにも関わらずさらに保険料や年金、交通費や雑費と出費がかさんでしまうと、手元に残るお金はほんのわずかになってしまいます。
また、収入や税の申告などを行うための事務作業にも多大な手間や時間が取られてしまいます。
金銭的にも時間的にも生保レディの雇用条件は、正直あまり良いとは言えません。
3.契約を取ることの難易度が高い
生保レディが契約を取るまでの流れは、「電話やチラシ配りで約束を取り付ける」、「実際に自宅や会社に行き説明をして契約をする」の大きく2ステップです。
まず、約束を取り付けることが非常に難しいです。
今、まさに保険の加入を検討している方に電話がかかる確率はほぼなく、大抵の場合は声をかけても嫌がられてしまいます。
なんとか約束を取り付けることができたとしても、当日実際に会ってもらえるかはわかりません。さらに、会って話を聞いてもらえたとしても契約してくれる方は少ないでしょう。
利用者側の気持ちになって考えるとわかりやすいのですが、保険を売ることは非常に困難で、ゴールまでの道のりが長いです。
成果を出すことができず、退職を考える方もたくさんいます。
4.営業先でのキツイ言葉を言われる
営業の約束をするために電話やチラシ配りの業務を実際に行っていると、「保険に全く興味がない方」や「話を聞いている時間がない方」にも出会うでしょう。そのような方の中には感情的なり、暴言を吐いてくる人たちもいます。
ベテランのスタッフであれば断られることには慣れっこですが、新人スタッフがキツイ言葉で拒絶されてしまった場合、精神的に大きなダメージを受けてしまいます。
ストレスに弱い方の場合、耐えきれず退職を考えることもあるでしょう。
5.労働時間が長い、休日稼働が多い
上述の通り、契約を取ることの難易度が高いため生保レディの多くは、時間外労働や休日勤務をしてまでなんとか成果をあげようとします。
とくに、基本給の保証期間が終わっている生保レディの場合必死になって働かなくてはいけません。
お客さんの都合で土日しか会うことができないのであれば、行くしかありません。まともな給料をもらうためには、自分の時間を返上してまで働かなくてはいけないのです。
6.自爆営業をすることがある
月の契約ノルマが達成できていない場合、自分で保険に加入することで成果を出そうとする方がいます。
営業職の間では「自爆営業」と呼ばれているもので、会社によっては自爆営業を強要するケースもあるようです。
今月のノルマは達成でき、一時的に来月の給料に余裕はできますが、長い目で見ると出費はかさみます。
自社の商品を自分で買うなんて驚きの行動ですが、生保レディの間では当たり前なこととなっています。
7.家族や友人への営業が辛い
自爆営業は1度きりしかできません。
またもノルマ達成ができなくなると次は、家族や友人に保険に加入してもらうよう、会社から強要されることがあります。
両親や親しい友人であれば、断ることなく加入してくれるでしょう。しかし、本人は両親や友人に甘えることに苦しさや罪悪感を感じてしまいます。
友人や家族に勧めることが心苦しくもう打つ手がなくなってしまった人は、生保レディから転職することを考え始めます。
8.社内での扱いが「使い捨て」
段々と身内で加入してくれる方がいなくなり、成績が悪くなると会社から契約を切られてしまうこともあります。
生保レディたちは個人事業主として一定期間内での契約で働いているため、契約期間さえ終わってしまえば簡単に会社から切り捨てられてしまうのです。
生保レディ本人や周りの家族をガッツリ加入される事ができたのであれば、本人が辞めようが契約は残ります。会社によって「加入できるだけ加入させたなら、もう使い捨てていい」と考えるところもあるでしょう。
ここまでひどい扱いをする会社はごくわずかですが、多少なりとも会社での扱いに不満を持つ生保レディはたくさんいます。
9.仕事をしながらのスキルアップすることが難しい
保険業界は資格が大切な業界として有名です。
会社によっては資格手当がつくこともあり、それだけ資格保持者が優遇されます。
しかし、営業での成績を出すことができず、終業後や休日を使って業務を行っていると、勉強をするための時間は簡単には作れません。
さらに自分を追い込んで時間を割くことも可能なのですが、精神的に参ってしまうケースも少なくありません。
10.枕営業を強いられることもある
上司からハッキリと強要されることはありませんが、それとなく体を使って契約を取ることを促されることもあるようです。
また、お客さんからお誘いを受けることもあるという意見も出回っています。
一度我慢すればいいことではなく、関係を持ってしまった場合、契約更新のたびに何度も体を張らなくてはいけないという状況にもなりかねません。
あくまで噂の域をでないことですが、生保レディへの就職を考える人は知っておくべきことでしょう。
生保レディを本当に辞めるべきか
一度は憧れを抱き、やっとの思いで就職した生保レディを辞めるには大きな覚悟がいります。
生保レディを辞めるべきか迷っている方は、まず生保レディの良いところを見直してみると良いでしょう。
「続けるメリット」よりも「辞めるメリット」の方が大きいと気づくことができますし、人によっては辞めたいという考えがなくなるかもしれません。
下記に生保レディを続けるメリットをまとめています。
生保レディを続けるメリット
- コツさえ掴めば、高額収入を得られる
- 成績が良いと旅行や食事会のご褒美がある
- 実力主義なので、学歴や職歴に関係なく働ける
- 資格にも挑戦しやすい、取得後はさらに給料がアップすることもある
- 1件の契約を取ることが難しい分、達成感がある
- 結果さえ出せれば、スケジュールの調整がしやすく、家事と仕事の両立がしやすい
ここまで、生保レディのネガティブな面を紹介してきましたが、もちろん良いところもいっぱいあります。
生保レディは、ハマる方にはピッタリとハマる仕事です。
コミュニケーションを取ることが得意で、強いメンタルを持ち、反省とチャレンジを繰り返せる方であれば年収1000万円以上稼ぐことだってできます。
営業実績さえ出せれば、驚くほど快適に続けることができる職業なのでまずは自分が結果を出せていない問題点を見直して業務改善に徹底してみるのも一つの手です。
とくにまだ入社から間もない方は、慣れていないだけ、コツを知らないだけかもしれません。
生保レディの退職のタイミング、進め方
生保レディを辞めるべきか分析をした上で退職を決意した人は、生保レディならではの注意点に気をつけながら退職を進めましょう。
生保レディを辞めるのに適したタイミングは、4月です。
その理由は3月が更新のタイミングでの乗り換えや、進学就職に合わせた新規加入が多い多い繁忙期であるためです。
会社とのトラブル(引き止め)を避けることができますし、本人としても多くの契約を取るチャンスなので、4月までは生保レディを続けるべきでしょう。
一般的な雇用形態であればボーナス後がお得なのですが、生保レディの場合は賞与がないことが多いため、こちらは気にしなくていいでしょう。
実際の退職の進め方に関しては、2つ注意点があるので、下記で解説します。
クライアントへのあいさつ回り、業務引継ぎは必須
どの生保レディにも、自分だけが担当するクライアントがいるはずです。
契約を取っており定期的に契約更新のため会っているお客さん、アポを取っている段階のお客さん、検討されている段階のお客さんなど、自分だけが知っているお客さんの状況を正確に後任に伝える必要があります。
また、急に違う担当がついてしまうとお客さんも困惑してしまうので、直接出向いて退職の意向を知らせる挨拶が必要となります。その際に次の担当者と同行させ、挨拶を済ませることが一般的です。
営業職は引継ぎの精度によって、実害が出やすい職業です。健康上の理由がない限りは、会社のことも配慮して、きちんと引継ぎを行いましょう。
「月末」より「月末前退職」がお得というのはウソ
月末ピッタリではなく、1日前に退職日を設定すると社会保険料の支払いを調整することができますが、生保レディには関係がありません。
例えば、1月31日に退職した場合、資格喪失日は2月1日となるため1月分の保険料が徴収されます。しかし1月30日だと資格喪失日が1月31日となるので12月分までしか徴収されないようにできます。
正社員であれば「最後の月の給料から保険料が差し引かれないのでお得!」と感じることができますが、個人事業主である生保レディには関係がありません。
自分で国民健康保険料や国民年金保険料を支払い続けており、退職後もこの2種は払い続けることになるため、いつ辞めようと損得はありません。
介護を辞めたい | 生保レディを辞めたい | 歯科助手を辞めたい | 自衛隊を辞めたい |
大学職員を辞めたい | 不動産を辞めたい | ITを辞めたい | 調剤薬局事務を辞めたい |
公務員を辞めたい | 営業職を辞めたい | 店長を辞めたい | 美容師を辞めたい |
介護がブラックすぎる | メガバンクがブラックすぎる | 警察官がブラックすぎる | 教員がブラックすぎる |
郵便局がブラックすぎる | 教員の中途退職 | - | - |