大学職員は経済的にも時間的にも余裕が持てる職業です。
それなのに関わらず、大学職員を辞めたいと考える方(実際に辞める方)は一定数います。
本記事では大学職員を辞めたいと考える理由や、おすすめの転職先について解説をしてます。
国立、私立大学の職員を辞めたいと感じる6つの理由
雇用条件が良いことで知られる大学職員にも、実はブラックな一面もあります。以下では代表的な6つの理由を解説しています。
1.収入が少ない
大学職員は高収入なイメージがありますが、給料面で悩みを抱える方は意外とたくさんいます。
とくに「公立大学」と「国立大学」の職員は給与を理由に退職すること多いです。
大学の種類 | 平均年収 |
---|---|
私立 | 800万円〜1,000万円 |
国立 | 536万円 |
公立 | 499万円 |
私立大学の年収は非常に高いのですが、国立や公立の職員は私立大学職員の半分以下であることが多いです。
上記の年収500万円という金額は税金を含めた金額であり、手取りは390万円ほどとなります。低いとは言えませんが、特別高いとも言えない金額です。
安定した収入は見込めますが、「もっと稼ぎたい」と考える人にとっては、十分な退職理由となります。
2.業務量が多く、残業が当たり前
大学職員は残業が少ないイメージがありましたが、それは少し昔の話です。
残業が少ないイメージは大学職員が学校法人ではなく、公務員であった時の名残が残っているためでしょう。
配属される部署にもよりますが、大学職員で1日13時間以上働く人も珍しくはありません。
そのため、大学職員の中にも身体的な疲労がたまり、体を崩して退職を考える人はたくさんいます。
ただし、ブラック企業と違い残業代はしっかりと出ることが多いため、その点はホワイトなのかもしれません。
3.人間関係に疲れる
大学職員は、生徒や事務員、教授など様々なジャンルの人と接することになります。
一般企業の場合社風があり、ある程度似たような人たちが集まりますが、大学職員の場合はそうはいきません。自分とはタイプの違う人と関わりを持つことに疲れてしまう人も多いでしょう。
また、職員同士のトラブルも多数報告されています。とくにモラルのない上司にストレスを抱える人が多いようです。
- 手柄の横取り
- 提案の拒否
- 責任を取りたがらない
と言った大学職員のハラスメント問題も実際浮き彫りになっています。
ただし、特別パワハラやセクハラが多い業種というわけではありません。被害の報告がありますが、上司個人の性格の問題であることが多いようです。
4.仕事内容が変わらない
大学職員は今後の日本を支える学生たちをサポートできるやりがいのある仕事として知られています。
日々、学生の満足度を高めるために仕事をしているのですが、実際の作業内容は書類を作ったり、伝票を切ったりと地味で繰り返しになりがちです。繰り返しの作業に意義が見いだせない人にとってはかなりの苦痛となるでしょう。
学生とのコミュニケーションがある部署(毎日違う人と関わる部署)の場合問題ありませんが、事務など自分1人で対応する業務に当たっている方は「代わり映えがなく、つまらない」と感じてしまうこともあるようです。
5.年間の休日数が少ない
極端に少ないわけではありませんが、大学職員として勤めている以上オープンキャンパスなどの土日開催のイベントのために休日出勤することもあるでしょう。
オープンキャンパスの開催頻度にもよりますが、年に複数回開催するような大学で働く方は、働く上での不満となるでしょう。
6.将来性に対する不安
現在、地方大学のマイナーなどは少子化問題により、生徒数が減少傾向にあります。
広告を打ち出したり、オープンキャンパスの開催頻度を増やしたとしても、定員割れしている大学は多数見かけます。
自分勤めている大学への生徒の集まりが著しく悪くなっている場合は、将来性を考えて今のウチに転職をしておこうと考える方がいます。
大学職員としての経験は転職で有利
大学職員として、働いていた人たちは「一般企業での経験がない自分は転職に不利だ」と考えている人が多いようです。
しかし、そんなことはありません。むしろ転職には有利となる傾向があります。
なぜなら大学職員はマルチなスキルを持っていることが多いためです。以下に大学職員が持っているであろうスキルとまとめています。
大学職員が持っているスキル・経験
- 事務
- 広報
- 企画
- 会計財務
- 外国語
- WEBサイト運営、デザイン、制作
- プログラミング
- 新卒向けの就職支援の経験
- 研究支援、補助の経験
- 雑貨、文房具、食品のバイイング経験
担当していた部署によって、業務がガラッと異なるため種類はさまざまですが、大学職員として勤務されていた方であれあば上記の何かしらの経験があると思います。
自分が興味のある仕事や、実際に経験があり即戦力になれる内容がわかっていれば、ミスマッチすることなく転職にも成功することができるでしょう。
大学職員におすすめの転職先
人材派遣、キャリアコンサルタント
人材派遣会社やキャリアコンサルタントとしての仕事は、利用者にあった最適な求人を紹介したり、キャリアの構築を支援する仕事です。
学生科(キャリアセンター)に配属されていた方であれば、日々学生たちの進路相談に乗っていた経験を活かして活躍することができるでしょう。
製薬会社、メーカー
大学で研究支援を行っていた方は、特許の出願やデータ管理、予算管理、知的財産の管理といった仕事の経験があるでしょう。
このような研究者を支える経験は大学と同じく、メーカーや製薬会社でも活かすことができます。
事務職全般
大学で行っていた事務作業の経験は、どの企業に行っても活かす事ができます。
処理をするデータの種類は違いますが、パソコンの操作や処理方法は今の知識がそのまま使えるでしょう。事務職であれば業種は問わず、様々な求人募集があります。
広報の仕事全般、イベント企画事業
大学で広報部にいた方は、オープンキャンパスやその他学生を呼び込むためのイベントの運営、ダイレクトメールの配信や大学パンフレットの作成などの経験があるはずです。
PR活動に関する経験が豊富であれば、広報課を置いている全ての企業で重宝されるでしょう。
また、イベント運営に自信がある方は、イベント企画事業を行う会社にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
外資系企業、商社、貿易事務
大学の職員の中には留学生とのコミュニケーションを取るため、働きながら英語のスキルを身につける方も多くいます。
少し限定的になってしまいますが、英語スキルに自信がある方は外資系企業や、商社、貿易事務といったような英語力を活かせることで有名な企業がおすすめです。
そのほか、「レジャー施設」「教材編集者」「受付全般」「レセプタント」なども英語力を活かせる仕事として人気が高いです。
会計、財務の仕事全般
大学で財務や会計の仕事をしていた方は、業種を選ばず転職することができます。一般企業においても、財務や会計の仕事は絶対に存在するからです。
会社全体のお金の管理をしたり、企業の資金の調達方法を分析することが自分に合っていると感じた方は、経験者として転職先の企業でも即戦力として活躍できるでしょう。
大学職員からスムーズに転職するためのコツ
大学職員の退職理由、転職で有利な理由、活躍できる転職先を紹介しました。
辞めるべきか、決めきれずにいた方も決心がついたのではないでしょうか。最後に大学職員がスムーズに大学を辞めるためのポイントを解説します。
大学職員を辞めるデメリット部分の把握をする
退職をする前に、大学職員を辞めるデメリット部分を一度見直し、気持ちが変わらないかを確かめてみてください。
- 福利厚生が手厚い
- 倒産の心配がない
- 業務量が適量、落ち着けるときもある
- 客商売ではないのでクレームが発生しにくい
- 厳しいノルマがない
- 給与は平均以上
このように大学職員ならではの良さもたくさんあります。
転職活動をしてみて、他の企業の情報を見ることで初めて自分の職場の良さに気づく方も多いです。「退職をお話を取りやめさせてください」とは言いにくいです。
退職を進めるに最終チェックしておくと良いでしょう。
転職先のリサーチと自己分析
上記で、大学職員の経験を活かすことができる職業を紹介しましたが、それだけで企業を選んでしまうと大きな失敗になりかねません。
自己分析をしっかりした上で、自分が何を一番企業に求めるのかを決めておくことが大切です。
大学職員時代に満足できなかったことをリストアップして、絶対に妥協できない点と多少妥協できる点をしっかり書き出しておくと良いでしょう。
自己分析に基づいた企業リサーチは「転職エージェント」を利用すると便利です。転職サイトと違い、1人1人に担当が付いて会社の紹介をしてくれるため、マッチ度が高い会社を簡単に探し出すことができます。
転職先を決めておく
健康的な問題がない限り、転職先が決まる前に仕事を辞めてしまうことはおすすめできません。
理由は「金銭的な問題」と「モチベーションの問題」です。
まず金銭的な問題ですが、自己都合退職の場合失業給付金を受け取れるのは3ヶ月以上先になってしまいます。スムーズに転職しなくては、生活が苦しくなってしまう可能性があります。
次に、モチベーションの問題です。自分に厳しい方であれば問題ないのですが、退職後「だらけるモード」に入ってしまった場合、やる気を取り戻すことが難しくなります。
一般的な退職の流れにそって辞める
転職先が決まった後に、退職の相談をすることになるのですが、できる限り学校の規則に従うことがスムーズに退職をする上で大切です。
民法上、2週間後であれば好きな日にちに辞めることができますが、学校側とよく話し合い折り合いが付く日にちを退職日に設定するようにしましょう。
どうしても辞めさせてもらえない場合や、提案された退職日の設定が現実的ではない場合は「退職代行サービス」を利用すると良いでしょう。
退職代行サービスを利用すると、利用者は一切大学と連絡する必要がなく、担当スタッフに丸投げするだけで退職の承認を取ってきてもらえます。
気になる方は国内の業者を全て比較した「退職代行サービスおすすめランキング!人気業者39社を徹底比較【いますぐ辞めたい方必見!】」を参考にしてください。
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