若い世代を中心に非常に人気が高い「IT業界」。
学生のうちからプログラミングの勉強をして、IT業界を目指す人がたくさんいます。
そんな今の時代に欠かせないIT企業ですが、ブラックな一面もあり辞めたいと考える人も多くいます。
本記事では、IT業界の離職率、退職理由、転職で失敗しない心得を紹介しています。
目次
IT業界の離職率について
まずは、IT業界の離職率についてみてみましょう。
構成労働省が発表している平成30年の「産業別離職率」によると情報通信業界の離職率は12%程度です。
画像参照:産業別の入職と離職
IT業界の離職率は一見、平均的な数値に見えますが惑わされてはいけません!
IT業界の中小企業の割合が高い業界として有名です。
画像参照:あえてIT中小企業という選択。時代を生き抜くための就活
中小企業が多いことのデメリットは、「そこが見えないほどブラックな企業」が存在することです。余裕のある大企業よりも人員不足に悩んでいる中小企業の方がブラック化しやすいのは当然のことですよね。
反対に、中小企業が多いことのメリットは独自の制度を導入している「超ホワイトな企業」が存在することです。「飲み会の補助金制度」や「お昼寝制度」、「復職制度」などユニークな取り組みをすることで、愛社精神を上手に育んている会社もあります。
平均化すると、離職率はさほど高くなりませんが企業ごとの当たり外れはかなり激しいと言えます。IT業界を辞めたいと感じる7つの理由
IT業界のブラック企業に勤める人たちがどのようなことに対して、辞めたいと感じているのかを紹介しています。
1.長時間残業と休日出勤
IT企業の退職された方の声でとくに多いと感じた意見は、「労働時間が長く、休日に仕事をすることも多い」という声でした。
IT業界には「残業がほとんどない職種」と「忙しい職種」の2種類があります。
忙しくない業種には社内SEやヘルプデスクなどの業務が会社内で完結する職種が挙げられます。
反対に忙しい業種には社外SEや営業、ディレクターなどのクライアントとのやり取りや納品に追われる業種が挙げられ、長時間の残業を強いられるケースがあります。
IT企業の社員の中には月120時間以上の残業をする方まで現れているほどです。自宅に帰ることができず、ダンボールをしいて仮眠を取るなんて話はごくごく当たり前なエピソードです。
2.トラブルが発生しやすい
「バグが発生しやすい」というIT企業独自の問題が社員たちを悩ませています。
いざ商品が完成したとしてもテストを行ってみてバグがあると、もちろん納品することはできません。ときに何百回も試行を重ねて完成に至るケースもあるようです。
3.極端に給料が低い
IT企業は仕事量がこれだけ多いにも関わらず、給料が安い傾向にあります。
その理由は、IT業界が多重下請け構造となっているためです。下部に位置する企業に勤めている人は、給料が極端に低い傾向にあります。
画像参照:IT業界の仕組みと偽装請負の闇を分かりやすく解説しよう
低賃金で雇い続けていると徐々に売上を伸ばしていけば、1人1人の雇用条件を上げたり、スキルの高い人材を雇い業務を軽減することができますが、さらに売上を伸ばすことを考える企業が多く労働条件が改善されることはあまりないようです。
4.価格競争が激しく営業活動が難しい
IT企業で苦しんでいるのは、技術者だけではありません。
営業担当者たちも、低賃金や長時間労働に悩んでいます。また、営業担当は好条件での契約が中々取れないという悩みを抱えています。
IT業界は激しい価格競争が起こっており、他社を差し置いて契約を取るには格安価格での受注しなければいけません。
もちろん、会社の上層部は許してくれないので中々業績を伸ばすことができません。
なんとかギリギリの条件で契約を取ったとしても、今度は技術者たちが「無茶を言うな」と不平不満を言ってきます。こんな板挟み状態が続いては「辞めたい」と考えるのも当然です。
5.職場がピリピリしている
IT業界は、上記の通り「バグやミスによる手戻り」が非常に社員たちの負担となっています。そのため、小さなミスをしてしまうだけでもネチネチと上司や同僚に責められてしまうこともあります。
そうした足の引っ張りあいがあることで、チームで動いていたとしても協力意識は芽生えにくく、どうしてもピリピリとした状態になってしまいます。
一度評価が下がってしまった人が、プレッシャーや嫌がらせを跳ねのけ評価を取り戻すことは非常に難しいです。
とくに繊細な作業が求められるIT業界では、ストレスが溜まった状態で仕事に臨んでもミスが増えてしまうだけです。会社での居場所を失ってしまい、退職に踏み切る方は多数いらっしゃいます。
6.福利厚生・手当てが充実していない
IT業界はスタートアップ企業が多数存在すると、解説をしてきました。
スタートアップ企業の場合、福利厚生が整っていないとよく言われます。
企業ごとの差が激しいポイントなので、なんとも言えませんが、様々な休暇が用意されている企業が少ないことや、各種手当てを出す企業が限られていることは事実です。
条件が悪い企業の中には、年金や保険に加入していない企業や社員に有給を使わせず消滅することを待つ企業もあるようです。
7.仕事をしながら覚えることが多い
IT業界で辛いと感じることの1つに就職してから覚えることが多いという点があります。
求人広告などには「未経験者でもゆっくり学べる」などと記載されていますが、できないうちはひたすら残業を強いられ、プライベートの時間をひたすら割いて勉強をしなくてはついていけないケースが大半です。
一定の知識を得たとしても気は抜けません。常に技術が進化しており、技術者たちは新しい機能に柔軟に対応をしてくてはいけません。
ただでさえ、業務時間が長く自分の時間を持てないにも関わらず、空き時間を勉強に当てなくてはいけないと考えると、なんのために働いているのかわからなくなってしまいます。
IT業界を辞めるべきかの判断方法
今、仕事に行くことが辛く辞めたいと考えている人は2つのポイントを見直すべきでしょう。
最初に確認すべきポイントは辞めたい理由が会社の問題なのか、自分の問題なのかです。
パワハラや賃金の未払いなど、自分ではどうすることもできない場合は悩まず辞めてしまって構いません。我慢しても自分が壊れてしまうだけです。
ただし、スキルが足りていないと言った自分の問題であれば経験を積むことで解決できるかもしれません。会社を変えることは自分のスキルが足りないことへの解決策にはなりません。
次に確認するポイントは自分にIT業界への適性があるかどうかです。
全業界の中でもIT業界はとくに、適正によってやっていけるか左右されると言われています。つまらないと感じらながら割り切って仕事をすることは難しいでしょう。
IT技術そのものに興味がある人や、スキルを磨いていくことにやりがいを見い出せる人であれば、今の会社で頑張ってみることをおすすめしますが、適正がないと判断したのであれば、あっさり辞めてしまった方が自分のためになります。
最後に確認すべきポイントは今の企業よりも条件が良い企業があるかです。
IT企業からの転職を考えている人の中には、転職先を探しているうちに自分の企業がまだマシだったことに気づく方も多いです。
転職することを目的にするのではなく、ゆっくり企業探しを進めて条件の良い企業が見つかり次第、退職を検討するようにしてください。
IT業界からの転職で失敗しないための3つのポイント
IT企業からの転職を決意した方は、再就職先で失敗をしないためにも、以下のコツを覚えておきましょう。
転職で失敗しないためのコツ
- 今の企業を辞める理由と次の企業でやりたいことを明確にする
- 企業が求めるスキルと自分のスキルをマッチさせる
- 退職は転職先が決まってから
1つ目のコツは転職活動前に自分が企業に求める条件を整理しておくことです。
辛い状況にいる人ほど、雇ってくれる企業を探そうをしますがそれは失敗の元です。給料や福利厚生、業務内容を明確に言葉や数字で設定し、それぞれに最優順位をふっておくといいでしょう。焦って転職先を決めると、転職を繰り返す結果になるリスクもあります。
2つ目のコツは、応募先がどのようなことを求めているのかをきちんと把握することです。
企業がその人材を不採用とする大きな理由のひとつとして、「希望しているスキルを持っていなかった」という点が挙げられます。企業側は、「~のスキルを持った人を採用したい」という理由で募集していることが多いので、いくら本人に意欲があり、性格の面で優秀だとしても、企業が求めるスキルと本人のスキルがマッチしなければ、採用される可能性は低くなります。
3つ目のコツは、最後に転職先が決まるまでは会社を辞めないことです。
先に退職してしまうと、金銭的に苦しくなってしまうことはもちろん、転職先の採用担当者に「計画性がないんじゃないか、投げ出したのではないか」と思われてしまう可能性があります。
健康的に出勤することができない場合は例外ですが、なるべくできる準備は全て済ませてから転職するべきです。
IT業界を辞めたい人におすすめの転職先
IT企業を辞めたいと考えている方に、おすすめの転職を一覧で紹介をしています。
まずはIT業界の継続を考えている人に対して、IT業界内で人気の職種を紹介しています。
- システムエンジニア
- ネットワークエンジニア
- 社内SE
【IT業界 マネジメント職】
- プロジェクトマネージャー
- ブリッジSE
【IT業界 営業】
- ITコンサルタント
【その他の業界】
- 営業
- 事務
IT業界【エンジニア職】
エンジニア職で人気の職種は「システムエンジニア」と「ネットワークエンジニア」、「社内SE」が人気です。
システムエンジニアはエンジニア職では最もポピュラーな職種です。コンピュータシステム開発において設計から開発、テストなどを行います。経験をそのまま活かせるということから多くの方から選ばれています。
ネットワークエンジニアは、コンピュータネットワークの設計・構築・運用・保守を専門的に行う職種です。企業からの需要が高くエンジニア職の中でも年収が高いため、人気が高いです。
社内SEは自社のシステムを設計する仕事で、通常のSEと比べて精神的なプレッシャーは低いため、企業とのコミュニケーションが苦手でエンジニアを辞めた方から人気が高い職種です。
それぞれ必要なスキルが違うため自分今のスキルと照らし合わせながら転職をするめる必要がありますが、共通する知識ももちろんあるので、経験者であればどのようなどの職種にも挑戦することはできるでしょう。
IT業界【マネジメント職】
最前線で働くエンジニア職から離れたいが、IT業界には残りたいという人には「プロジェクトマネージャー」や「ブリッジSE」といった働き方がおすすめ。
プロジェクトマネージャーは、エンジニアをマネジメントする案件ごとのリーダー的な役職です。プロジェクトの人集めからタスク管理、スケジュール調整に至るまでを取り仕切ります。いきなりプロジェクトマネージャーを募集している企業は少ないため、マネジメント職に魅力を感じる方は目指しやすい環境をが整った企業を選んでいます。
ブリッジSEとは外国人エンジニアをマネジメントする職種です。高いコミュニケーション力と英語力が求められますが、企業からの需要が高く、収入も高いと人気が集っています。
IT業界【営業職】
エンジニア職よりも、もっとクライアントとの関わりのある仕事がしたい人はITコンサルタントがおすすめです。
ITコンサルタントは、エンジニアとしての経験を生かし、クライアントの「経営や業務上の重要な問題点」を解決できるようなシステムを提案し、案件を取ってくる職種です。
プロジェクトチームを作り、プロジェクトマネージャーやプログラマー、システムエンジニアを采配するまでを行います。
年収は1000万円を超えることもあり、IT業界の職種の中では最も高水準です。
その他の業界【営業職・事務職】
その他、営業職や事務職などエンジニアとは全く違う仕事をする方もいます。
どの職業を選んだとしても培ったパソコン技術が腐ることはないので、転職では有利に立ち回れます。20代から30代前半の方であれば、業界・職種を気にする必要はないので、自分の興味のあることベースで考えてしまって構いません。
ITから転職した人の声
最後に、IT業界からの転職に成功した人たちの声をまとめて紹介しています。
実際にホワイトなIT企業に転職成功した人や、全く違う職種に転職して活躍している人はたくさんいます。
大切なことはアクションを起こすことなので、辞めたい理由を整理する、転職サイトに登録してみるといった小さなことから始めてみてください。
日系大手ITから外資ITに転職して楽になったこと
・9-21時勤務→10-18時勤務(出社義務なし)
・好きな時に有給使える
・紙を一切業務で使わない
・飲み会の強制参加がない(出席率6割くらい)
・みんな人に興味がないから、干渉しない
・年収は約2倍
・時給は約3倍
・社員を大切にしてくれる— 湾岸外資 (@XvwRoOKfL3aFEeW) November 3, 2019
初めて転職エージェントの方と会ってきました。
SEからコンサル系へ、というキャリアプランを提案されました。
自分の会社に閉じてると、普段聞けないこと、知らないことを話すことができて、これだけで有益な時間だなと✨
改めて、今後の自分のキャリアを考えていくことにします!
— たむち🐣社畜サラリーマン (@tamuch555) November 13, 2019
はじめまして!
後輩の影響でTwitter始めました🙌目標はちょっとしたインフルエンサーになること!
三流大学を卒業後
大手?Sierで約3年半下積みを積み
色々な理由から転職活動を始めました!
(理由は今後ツイートしていきます)現在は経験を活かし、ベンチャー企業で情報システム部で働いてます!
— 白い熊@半人前の社内SE (@tanIXSzijlXoM6r) November 13, 2019
ウチの会社を辞めた20代男子。
中小IT企業に新卒入社→プログラマーで5年在籍→下流の仕事やだ→上場IT企業に転職→一日中会議、テスト立ち会い→上流の仕事良いよね— norinking (@norinking) October 10, 2019
2014年にブラック企業(某IT企業)で働いた。
そこでは、21:00前に帰ると白い目で見られる。
週2回は上司に呼ばれて残業のすばらしさを延々と聞かされる。残業が少ない社員はブラックリストに載って、続くと退職勧告。協力会社も残業が少ないと契約延長不可。耐えきれず8か月で辞めたが正解だった。— hariyoshi@2018/10/26に原因不明の脳梗塞で倒れ、左上肢麻痺中。 (@hariyoshi0427) July 2, 2019
元同僚と久々と話して、
なんで会社辞めたの? → 組織で働くのに疲れました。
IT企業のエンジニアから保険の営業マンになるという。
でも、なんかわかるわ。— 鍋 (@nabeemichi) June 20, 2019
介護を辞めたい | 生保レディを辞めたい | 歯科助手を辞めたい | 自衛隊を辞めたい |
大学職員を辞めたい | 不動産を辞めたい | ITを辞めたい | 調剤薬局事務を辞めたい |
公務員を辞めたい | 営業職を辞めたい | 店長を辞めたい | 美容師を辞めたい |
介護がブラックすぎる | メガバンクがブラックすぎる | 警察官がブラックすぎる | 教員がブラックすぎる |
郵便局がブラックすぎる | 教員の中途退職 | - | - |