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部下から退職の申し出を受けた際に、人手不足を理由に引き止めをする上司、会社が増えています。

本人のキャリアのことを思った引き止めではなく、人手不足で会社が回らなくなることだけを考えた引き止めですので、非常にたちが悪いです。

本記事ではそんなモラルのない会社、上司からの引き止めの対処法について詳しく解説しています。

人手不足により退職の引き止めをする会社が多数

バナー画像「引き止めをする会社の増加状況」

中小企業基盤整備機構が発表している「中小企業アンケート調査報告」によると、約73%の中小企業が人手不足を実感しています。

中小企業アンケート調査報告内の資料

人材不足に悩んでいる会社、とくに自体が深刻な企業はこれ以上社員に辞めてほしくはありません。

同じく、中小企業基盤整備機構が発表している「中小企業アンケート調査報告」によると人手不足と回答をした企業のうち「深刻」、「かなり深刻」と感じている企業は50%程度です。

中小企業アンケート調査報告内の資料2

 

73%のさらに50%程度ですので、全体の約36.5%。10人に3〜4人は人材不足を理由に退職時に引き止めを受けることになるでしょう。

引き止めの方法は会社によって様々ですが、ひどい所では退職の申入れを完全に無視したり、離職票など退職に必要な資料を発行しないなどの退職を阻止する行為もあるようです。

退職者本人としても、人手不足の中会社を辞めることに罪悪感があり、こうした引き止めを受け入れてしまうことが多くあります。

そもそも人手不足は会社の責任

人手不足の会社を辞めることは、たしかに申し訳ないと感じてしまいます。

人事の責任者でもない限り人手不足の原因はあなたにはありません。完全に会社のせいです。

多くの企業が人手不足に悩む中、採用に投資をしたり、社員たちの離職率の低下させることに工夫を凝らして、人材確保を行っている会社はあるのです。

採用活動の対策をすることや、人件費を割くことを避けてきた会社が、あなたに対して引き止めを行うことは少し虫が良すぎる話です。慢性的な人手不足を放置した会社が悪いに決まっています。

会社に退職者を引き止る権利はない

労働者が退職をすることは法律によって「自由」と決められています。どんなに企業であれ、労働者を引き止める権利はありません。

上司は威圧的な態度で、命令口調で引き止めをしているかもしれませんが、実際はなんの強制力もなくただお願いをしているにすぎません。

聞き入れるかどうかは完全に労働者の自由です。

人手不足による引き止めを律儀に守る義務はありませんし、無視をしても法律的に問題はありません。

人手不足の会社を退職する際の6つの引き止め対策

バナー画像「退職時、引き止められないための対策」

1.退職の意思はなるべく早めに伝える

就業規則によって様々ですが、退職に必要な期間は一般的に1ヶ月と言われています。だからといってきっちり1ヶ月前に伝えるのではなく、退職を決めた後すぐに報告するようにしましょう。

退職の報告は早いに越したことはありません。

ある程度の期間があれば、会社は人材を確保することはできると判断し、過度な引き止めはしてこないでしょう。

2.退職の相談ではなく、辞める意思を伝える

上司に報告をする際は、相談するように話すのではなく「決まっていること」のように話すことをおすすめします。

OK:◯月いっぱいでの退職を考えています。
NG:◯月までに辞めたいと思うのですが…どうですかね…?

相談調にしてしまうと、上司は「まだこの人は退職するかどうか迷っている」と判断し、付け入るスキがあると思います。

目上の人と意識すると、弱気になってしまう気持ちもわかりますが、自分の将来に関わることなので勇気を振り絞って立ち向かうことが大切です。

切り出すセリフをあらかじめ、文字に起こしておくとスラスラ話せます。

3.その場で了承を得る

退職の報告をする際は、絶対にその場で了承を得るようにしてください。

「もう少し考えてくれ」、「こちらで少し検討させてくれ」などと、時間を置かれてしまうとそのままうやむやにされてしまう可能性があります。

考え直しても答えは変わらないことをしっかり伝えましょう。

答えを出すことを保留にしようとする上司に対しても、退職は決定事項であり、今ここでお返事をいただきたいと食らいつきましょう。

4.可能な限りで引き継ぎはする

退職の報告時に引き止めを受けないコツは、会社に悪影響がないことを説明することです。

報告の際は引き継ぎをすべき項目を洗い出し、上司と相談をしながら誰に何を割り振るのかを話し合うようにしましょう。

上述の通り、「みんないっぱいいっぱいで引継ぎを受ける余裕がない」といった理由に対応する必要はありません。

5.退職理由を工夫する

正直にネガティブな理由を伝えることは、いいことではありません。たとえ業務量の多さや、長時間労働、ハラスメントが退職理由であっても「一身上の都合」、「家庭の事情」などと伝えた方がスムーズに退職できます。

ネガティブな理由を伝えることで感情的になってしまう可能性もありますし、具体的に伝えすぎることで改善をすると言われてしまうこともあります。

一身上の都合、家庭の事情であり詳しくは伝えることができないと一貫して伝えることがポイントです。

6.繁忙期はなるべく避ける

今、勤めている会社に繁忙期があれば、その時期の退職は避けることが鉄則です。

引き止められる可能性は極めて高いですし、どんなに親身になって話を聞いてくれる上司であってもぴりぴりしているかもしれません。

これからいなくなる会社の繁忙期でモチベーションが保てないこともわかりますが、できるだけスムーズに退職するためにも、繁忙期は避けた方がいいでしょう。

退職日を繁忙期に設定することは控えた方がいいですが、話を伝えておくことは早いほうが理想的です。

少し恩着せがましいですが、「◯月の繁忙期は責任をもって取り組みます。△月半ばの退職を考えています」といったような伝え方をすると、上司としても引き止めはしにくいです。

人手不足でも退職の申し出がしやすくなる考え方

バナー画像「人手不足の会社を辞めやすくするための考え方」

辞めたら迷惑がかかると考えない

退職をする上で「辞めたら会社に迷惑がかかる」という考えは捨てなければいけません。このように考えているうちは一生辞めることができないでしょう。

退職すると基本的に迷惑はかかるもので、会社はそれを残った人員で補うものです。

本人すら、自分が辞めたらどうなるのだろうかと考える会社であっても、意外と回り続けます。

会社を思う気持ちは大切ですが、無理をする必要はありません。スムーズに退職したいのであれば「もう辞める会社への迷惑は気にしない」というくらいの図々しさが必要です。

1人が辞めて回らなくなる会社は将来性が心配

もし、本当にあなた一人が退職して回らなくなってしまう会社であれば、将来が不安です。愛着や責任感を感じる必要はありません。危機感をもって、多少強引にでも退職すべきです。

また、それほど人手不足が深刻な会社は、1人あたりの業務量も多い傾向にあります。

自分のキャパシティを超えた状態が続くと、体を壊してしまったり、精神的な病気になってしまうこともあります。

今この時期を逃して、人材不足を理由に引き止めをするような会社に居続けると、もっともっと状況が悪くなってしまうかもしれません。

転職先はたくさんある

思うように退職が進まなない方は、「どこに行っても同じなのかな」とネガティブな考えになりがちです。

冒頭で記載した通り、人手不足が深刻な企業は全体の一部です。今より条件の良い企業は多数あるはずです。

また、現在は転職エージェントという1人1人にあった求人を紹介し、内定までを徹底サポートしてくれるサービスがあります。あなたにぴったりな企業を見つけることも決して難しいことではありません。

実際に人手不足で退職を引き止められた時の4つの対処方法

バナー画像「退職時、人手不足で引き止められた時の対処方法」

引き止めを受けないための工夫をして、会社への配慮も最低限したとしても、引き止められることはあります。

上司の言葉に流されることなく冷静な判斷をすることが大切です。

以下での引き止めの種類別の対策方法を解説しています。

その1.雇用条件を良くすると交渉してくる

辞めますの一言で、雇用条件をコロッと変えてくれる企業は少ないですがもし好条件で働けるのであれば、一度考えてみてもいいでしょう。

給料の低さを理由に退職を考えていた人が、給料を上げてもらえるのであれば問題は解決されます。

ただし、上司が提示してくる条件は確約されないことが多いです。「上に掛け合ってみる」というケースが大半でしょう。

いい条件を出しておきながら守ってもらえなかった時のリスクを考えると、宛にしすぎない方がいいでしょう。

その2.情に訴えてくる

「お前はこの会社に必要だ」、「一緒に頑張っていくって言ったじゃなか」などと情に訴えかけて来ることもあるでしょう。

上司から必要とされることは誰にとっても嬉しいことです。会社に自分の居場所をあるという安心を感じる事ができるでしょう。

しかし、あなたが退職を考えた理由の解決にはなっていません。一時の感情に流されず、冷静に対処することがベストです。

その3.訴えると脅してくる

いつも上司のことを怖いと感じている方は、怒鳴られて萎縮してしまうこともあります。

たとえ、怒鳴られることは平気であっても、「懲戒解雇」や「損害賠償」の話を持ち出し脅しをかけられてしまうと、誰でもひるんでしまいます。

自分の上司なら、言いかねないと思った方は正しい知識を入れ、切り返し方法を用意しておくことが大切です。

  • 「民法により2週間以上先であれば、理由に関係なく退職ができると認識しています」
  • 「会社に損害を出さないために、引き継ぎは◯◯さんと相談をしながら進めていきたいとおもっています」

自分には辞める権利があること、会社に不利益は出ないように最低限の引継ぎをすることを説明しましょう。

退職を決め込んだ労働者の権利は非常に強く、法律により守られています。だからと言ってケンカ腰になってはいけません。上司がどんなに感情的になったとしても自分は冷静でいるようにしましょう。

その4.受け取り拒否(無視)してくる

最後は退職届の受け取りを拒否されるケースや、全く取り合ってもらえないケースです。会話や説得ができない分、一番厄介なケースでしょう。

何を言っても対応してもらえないのであれば、対象無理やりですが「内容証明郵便」で退職届を送ることで退職することができます。

「内容証明郵便」とは送った郵便(退職届)が無事に会社に届いたことを証明するサービスです。

退職届は会社側が受け取った瞬間に効力を発揮します。受け取ったことを証明するサービスと組み合わせることによって、強引に退職することはできるのです。

 

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