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教員・教師がブラックであることを裏付ける離職率の高さ
厚生労働省による「新規学卒者の離職状況」というレポートに、産業別の離職率がまとめられており「教育関係」の3年以内の離職率は約45%と記されています。
画像出典:新規大卒就職者の産業分類別(大分類)就職後3年以内の離職率の推移
離職率45%は一般企業において一番ブラックと言われる「飲食サービス」と同じくらいの数値であり、どれだけ教職員の職場環境が劣悪かがわかります。
また、「AERAdot」によると、教育部への進学率も激減しており、教員の職場環境がブラックすぎることが要因であると述べられています。少し前までは、教職員と言えば安定のイメージがありましたが、今はブラックのイメージが浸透してきているようです。
次に、教員の業務のどのような点が問題視されているのかを解説しています。
教員・教師がブラックすぎると言われる9つの理由
教員がブラックと言われる理由は、あげようようと思えば切りがありません。以下では教員・教師が辛いと感じる代表的なポイントを紹介しています。
1.残業、休日動労は当たり前
教員は勤務時間が長いことで有名です。
ベネッセの「教員の勤務実態と意識」という調査によると、教員の勤務時間は小学校で11時間54分、中学校で12時間30分、高校で11時間33分と言われています。
画像参照:教員の勤務実態と意識
休憩などを差し引いたとしてもだいたい11時間以上は勤務をしている計算になります。
1日平均3時間以上(週15時間)残業をして、さらに土日も勤務することで月70〜80時間ほど残業をする方も少なくありません。
2.休日数が少ない
学校の教員は部活や学校行事のために土曜日や日曜日に出勤する方が多くいます。小学校教員は少ないですが、中学校教員の約7割、高校教員の約5割が毎週出勤をしています。
部活での出勤を含めると数十連勤となる方もいるほどです。
もちろん、部活の指導を楽しみにしており進んで出勤している教員も多いですが、「部活の指導が負担となっている」と感じている方が多いことも事実です。
3.業務量が多く、自分の時間が持てない
職員は授業以外にも様々な業務をこなさなくてはいけません。
- 部活の指導、引率
- 学校行事の指導、引率
- PTA総会の出席
- 生徒1人1人の成績作成
- テストの作成、採点
- 校舎の管理
- 保護者や生徒の相談、クレームの対応
- 生徒の問題対応
ざっと、例を上げてみましたが、教員の作業内容は盛りだくさんです。
授業の進め方など、業務に慣れているベテラン教師であれば時間がかからない業務もありますが、新人教師にとっては非常に大きな負担となるでしょう。
もちろん、作業が時間内に終わらない場合はサービス残業をするか、土日を削ならなくてはいけません。
4.給与は定額で残業代はごくわずか
教員など公務員の給料に歩合給一切はなく、完全固定制です。
また公立公務員には「給特法」という制度が適応されています。給特法とは給与の4%が時間外手当として支給される制度で、どんなに働いたとしても時間外勤務手当や休日勤務手当は支給されない仕組みとなっています。
そのため教員はどんなに結果を出したとしても、どんなに長い時間働いたとしても一定の給料しか受けるとことができません。
人件費がかからないことを良いことに、常識の範囲を超えた残業や、休日勤務を強いられるケースも多くあります。
5.保護者対応に追われる
最近、教師たちを悩ませている大きな原因が「モンスターペアレント」と呼ばれる、過保護すぎる保護者の存在です。
モンスターペアレントからのクレームは、自己中心的であり、理不尽かつ難易度が高く、教師たちのストレスの要因となっています。
- 主役をウチの子にしないと差別で訴える
- 組体操でウチの子が下になるのが可愛そう
- 給食のクオリティが低いので改善してほしい
上記のようなどうしようもない、要望を送ってきます。
社会現象となり、認識され始めたことから自重する人も増えていますが、完全になくなることはないでしょう。
6.生徒の問題の対応に追われる
自分の学級を持っている教員の場合、生徒が起こした問題を解決するために時間を割かなくてはいけません。
クラス内で解決できる問題であれば話し合いで十分ですが、いじめや嫌がらせなど重大なことであれば保護者に対して説明が求められます。
また、学校外で生徒が問題を起こした場合は謝罪にいかなくてはいけません。
その場を収拾させることだけではなく、問題を起こした生徒の指導にも手を焼く教員も多くいます。
7.学校の評価制度に不満を感じる
教師の評価項目は以下の3つとなります。
- 教育の質の向上
- 保護者や地域等、特別な課題への対応
- 校務への貢献度
本来、授業の質や生徒の学力上昇が最も評価されなくてはいけない点ですが、「保護者や地域等、特別な課題への対応」や「校務への貢献度」といった変わった点も大きな評価軸となっています。
教育の質を高めることに専念した人よりも保護者対応や校務に貢献した人の方が高い評価を得ることは、教育に対して大きな信念を持って教員となった方にとって、納得できないポイントとなるでしょう。
8.教員免許の更新が面倒
教員を勤めていると10年に1度、教員免許の更新を行わなくてはいけません。
更新に必要な講習時間は30時間とされており、教員たちは6日間を使って免許を更新しなくてはいけません。講習は土日であることが多いため、プライベートの時間を費やさなくてはいけません。
また、更新にかかる費用は全て自己負担となることが多いです。主任クラスの教員であれば、費用が免除されることもありますが、新人教員は避ける事ができません。
職場のブラックさとはちょっと違いますが、不満に感じている人は多数います。
9.教員間の人間関係が悪い
教師たちはストレスが溜まりやすい環境で働いているせいか、ギスギスとした雰囲気になってしまうことが多くあります。
「教職員のメンタルヘルスに関する調査」という資料によると、部下とのコミュニケーションや、職場での人間関係、教育委員会とのコミュニケーションに強いストレスを感じると回答されている方が4割〜5割います。
子どもたちや保護者だけでなく、職場の人間や教育機関の関係者すらもストレスの原因となってしまいます。学校に自分の居場所を見つけられないという意見も多く見つかります。
教員・教師にももちろん良いところはある
ここまで、教員のブラックさを解説してきましたが、決して教員は悪いところだけが目立つわけではありません。
現在教職についている人も、教員を目指しており事前にブラックな一面を知っておきたかった人も一概に「教員=ブラック」と決めつけてしまうことは危険です。
教員の良いところ
- 生徒たちの成長を見届けられる、やりがいを感じる
- 福利厚生や各種手当てが充実している
- 収入が安定している、ボーナスも魅力的
- 社会的な信頼性が高い
- 長期休暇を取ることも可能
- 上下関係はさほど厳しくない
とくに生徒たちの成長が楽しめるという点は、多くの教員に共通するやりがいであり、卒業させることに強い使命感を持って業務に取り組む教員は多くいます。
新人教員にとってはどの業務もブラックに感じるかもしれませんが、上記のようなやりがいを強く感じるポイントさえあれば、辛い時期を乗り越える事ができた後、一気に仕事に楽しくなるでしょう。
教員・教師がブラックと感じたら辞めるべき
時間や慣れが解決してくれる問題であれば、我慢して続けることで解決はできますが、今が耐えきれないほど辛い場合は迷わず退職すべきでしょう。
もちろん、すぐに辞めるのではなく休職などの制度を使ってみても構いません。
やや古いデータになってしまいますが、2016年度までの10年で過労死した公立校の教員は63人います。
退職の不安は多数ありますが、一番優先すべきはあなた自身の健康です。最悪の事態になる前に自分に身は自分で守りましょう。
もし、辞められないという問題に直面している方は「退職代行サービス」を利用しているのもいいでしょう。退職代行とは、退職に関する全ての連絡を代行してくれるサービスで、依頼者は出勤することなく退職を進めることができます。
「公務員の退職代行サービス」を提供している業者も多数あるので、詳しく知りたい方は「退職代行サービスおすすめランキング!人気業者39社を徹底比較【いますぐ辞めたい方必見!】」をご覧ください。
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